近年、グローバル化の波によって日本国内で外国人を目にする機会も多くなりました。この記事を読んでいる人の中にも、職場や学校に1人くらいは外国人の同僚や友人がいるという人も存在するかもしれません。
外国人の多くは気さくで常にフレンドリーに接してくれますが、日本人は特に初対面の相手に対して警戒心を抱き、あまり気さくに応じてくれない人も少なくありません。
同じ人間であるはずなのに、なぜ国が違うだけでここまで性格が正反対なのでしょうか。
今回は、日本人に人見知りが多いと言われる理由と、海外と比較した際の違いについて詳しく解説してきます。
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日本人の国民性
古くから日本人は「勤勉で真面目である」というイメージが定着しています。
これは海外の国から見てもその通りで、だからこそ世界最高品質ともいわれる自動車や家電製品を作ることができたともいえます。日本人の最大の長所であり、他の国では決して真似することのできないものです。
しかし一方で、日本人は人とコミュニケーションを取ることが苦手な人が多い傾向にあります。初対面の人に対して必要以上に警戒心を抱いたり、挨拶をすることが恥ずかしい、さらには電話で話すことさえ恐怖心を抱く人も少なくありません。
これに対し海外では、特に欧米人の場合、軽く挨拶をしただけなのに必ずといっていいほど笑顔で何らかのアクションを起こしてくれます。接客業などで外国人に「いらっしゃいませ」と挨拶しただけなのに、満面の笑顔で会釈されるという経験をした人も多いのではないでしょうか。
このように、日本人の国民性として「真面目」であると同時に「人見知り」の人が非常に多いということが分かります。
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日本人に人見知りが多いって本当?
日本人は外国人に比べてシャイで人見知りな人が多いというのは、多くの人が感覚的に分かっているのではないでしょうか。
さまざまな調査機関やメディアでは、「自分のことを人見知りだと思うか?」といったアンケートが行われ、その調査結果もさまざまです。比較的低い割合の結果でも3割程度、高いところでは6割以上が自分のことを人見知りであると感じているようです。
このような結果からも分かるように、海外と比べて日本人は人見知りを自覚している人の割合が多く、コミュニケーションがうまくとれないことに対して悩みを抱えている人が多いことが分かります。
ただし、海外の国の人が誰しもコミュニケーション能力に長けているというわけではありません。当然のことながら、外国人にも人見知りの人は存在します。
日本で暮らす外国人は、もともと海外から日本に渡航して来るほどのバイタリティのある人ですから、コミュニケーションが得意な人が多いように見えるということも事実です。逆に日本から海外へ留学したり旅行に行く人もコミュニケーションが得意な傾向にあるといえます。
参考:https://www.atpress.ne.jp/news/110567
日本人に人見知りが多い理由
なぜ日本は人見知りになりやすい人が多く、海外ではその割合が少ないのでしょうか。これは日本という国そのものの歴史が大きく関係しているようです。
日本人に人見知りが多いのはさまざまな理由が考えられます。
そもそも人見知りは「完璧主義」の性格の人が多い傾向にあります。他人から非難されたり指摘を受けることを極度に恐れる性格であるため、何事も完璧にこなさなければならないと思っています。
冒頭にご紹介したように、日本人は「真面目で勤勉」という国民性があります。
しかしそれは、裏を返せば真面目であるからこそ失敗を極度に恐れ、危ない橋を渡るようなことはしないということに繋がります。自分が確実にできそうなことを優先し、リスクのある事柄を避けようとする傾向があるため、結果として完璧主義に見えるということでもあります。
また、日本という国が島国であるというのも大きな要因として考えられています。
アメリカやヨーロッパ、中国などは大陸続きでいくつもの国が存在しています。しかし、日本は四方を海に囲まれ、物理的に外国との交流がしにくい環境であったという歴史があります。
外国との交流が深まると人間やモノの移動が活発に行われ、さまざまな文化が入り組んだ状態になります。結果として、自分の国以外の人と頻繁にコミュニケーションをする文化が生まれたと考えることもできます。
さらに日本特有の文化として「空気を読む」という言葉があります。多くの人と接する中で、相手のことや場の雰囲気を読み取ることの美学ともいえるものですが、海外ではこのような文化は稀なケースです。
どちらかといえば外国人は自己主張が強く、思ったことをハッキリと言うことが多い傾向にありますが、日本人は争いごとを嫌う傾向が強いです。同じ民族同士であり、いわば家族のような日本人は「和」の精神が脈々と受け継がれています。これも日本が島国であったことと強い関係があると考えられています。
海外から見た日本人のイメージ
多くの外国人は日本人に対してどのようなイメージを持っているのでしょうか。
今回ご紹介してきた「勤勉で真面目」というイメージの他にも、「あらゆるモノの品質の高さ」、「受け身・受動的」、「古い伝統を守る」、中には「原宿で見るような奇抜なファッション」というものもあるようです。
受け身であるというイメージはまさに人見知りを象徴しているリアルな言葉であり、多くの人も納得の結果ではないでしょうか。
しかし一方で、「原宿の奇抜なファッション」という意見もあります。コミュニケーションを積極的にとることは苦手で自己主張が弱いと見られがちな日本人ですが、だからこそ若者の自己主張の強い奇抜なファッションは意外な目で見られるのかもしれません。
また、「あらゆるモノの品質の高さ」という意見もよく耳にする機会が多いです。これは近年世界を席巻している「アニメ」などにも通じるものがあります。コミュニケーションが苦手な国民性だからこそ、目に見える形で結果を出し、高い信頼に繋げてきた日本人の良さでもあります。
コミュニケーションが苦手で人見知りであるということは一見短所のようにも感じられますが、その繊細な性格を活かして日本人は独自の生きる道を歩んできたという歴史もあるのです。