世間では、今の就職は「売り手市場」なんて言われています。「売り手=求職者が圧倒的に有利な世の中」になっているということですね。
少ない人財を企業が取り合っている時代です。労働人口が減少しているというのもありますし、個人事業主が増えているということでもあるんでしょう。とにかくどの企業も人財が不足しているので、どんな手を使ってでも人財を確保しようとします。そうすると求職者の方はいつしか「内定は簡単にもらえるもの」だと考えてしまいがちです。
ですが、実際の就職活動の現場を見てみると、売り手市場の恩恵に預かれていない人も結構多くいるのではないかと感じてしまいます。
つまり、あまり内定がもらえない人もいるんじゃないかと思うんですね。
というのも、中途採用をしていると色々な求職者の方に面接でお会いするんですが、かなり惜しい人が多いんです。年齢なのか、経験なのか、それとも資格なのか…とにかくどこかに光る魅力は確かにあります。でも、それだけでは足りないんです。
なぜか内定がもらえない人は、今回の記事を参考にしていただけると幸いです。
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じわじわと感じる求職者の二極化
中途採用はもちろん、新卒採用でも感じるのは、内定を持っている人と持っていない人との差が大きく開いているということです。
内定を持っている人は複数社から引っ張りだこになっている一方で、内定をもらえない人はいつまでも内定がもらえない、結果現職に留まるか離職期間が長くなって更に転職が厳しくなる…といった悪循環が起きています。
実際に面接で会うと、はじめ2〜3回の会話のキャッチボールでわかってしまいます。内定をもらえる人はそういう話し方をしますし、内定をもらえない人はもらえない話し方をしていますからね。
経験やスキルといった面を重要視する人はかなり多いのではないかと思いますが、実はそこはあまり大切だと思っていない企業もあります。それよりも人柄や雰囲気を重視する企業の方が多いのではないでしょうか。
人柄や雰囲気というのはかなりわかりにくい表現だと思いますが、簡単に言えば会話が弾むかどうか、「この人の話が聞きたい」と思えるかどうかです。
では、この人柄や雰囲気を変えて内定をもらうためにはどうすればいいのでしょうか?
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面接はただの「会話」
人柄や雰囲気が重要だとすると、面接は自分の経歴やスキルをアピールする場ではないということですよね。もちろんスキルを最重要視するような企業もありますが、それは求人を見ればわかることです。
「未経験歓迎」や「年間休日125日」「残業少なめ」といった文言を求人に出している企業は、傾向としてそこまでスキルを重要視していません。どちらかといえば「働きやすい職場だから、誰か(人柄が)いい人入ってくれー!」といった感じです。
こういった企業を狙いにいくときは以下の3つのポイントを意識してみて下さい。
①とにもかくにも笑顔
これ、本当に大切です!
その人が会社に来て面接の場に案内されるとき、面接担当者が来て「よろしくお願いします」と挨拶するとき…実際の面接以外でもその人を推し測る場面はいくらでもありますが、その基準となるのが笑顔です。
常に笑顔である必要はありませんが、挨拶する時に笑顔が作れる人や面接の中で自然と笑える人は非常に好感度が高いです。
面接のコツなんかを紹介する本やサイトを見ていると「常に口角を上げておく」なんて書いてありますが、そこまでする必要はありません。話の流れを汲み取って、自然なタイミングで笑う方が印象は上がると思います。
全く人と接することがない仕事や、とにかくスキル重視の募集であれば話は別ですが、それ以外であればほぼすべての業界・職種で共通することではないでしょうか。
②自己紹介は1分以内
面接の最初に「自己紹介をしてください」や「これまでのご経歴を簡単に説明してください」と言われることがありますね。この時に5分かけてこれまでの仕事内容から転職理由、自己PRまで細かく話す人がいますが、それはあまりしない方がいいと思います。
自己紹介は本当に簡単でいいんです。面接の担当者が何を知りたくてこの質問をしているかというと、この人に会話力があるかどうかなんですね。
仕事をしていると、話を要約して相手に伝えなくてはいけない場面が多くあります。物語を1から10まで話せることなんて滅多にありません。その中でいかにポイントを掴んでわかりやすく伝えるかが大切になってきます。「報・連・相」の基本ですよね。
面接担当者も、事前に履歴書や経歴書に目を通してどんな経験がある人なのかはアタリをつけてきています。それでも「自己紹介をしてください」と言ってくるということは、経歴以外のところを見ているんですね。
なので、なるべく簡単に自己紹介をするようにしましょう。名前、経歴、具体的な仕事内容を1分以内で話しましょう。仕事内容は、この後つっこんで聞いてほしい箇所を重点的に話すようにしましょう。
自信のある業務やスキル、募集職種に関連する業務経験がある場合はそのあたりを自己紹介で話せばOKです。
話の内容を聞いているのではなく、話の組み立て方が注目されているということを肝に銘じてください!
③沈黙を嫌がらない
自己紹介の話にも共通してきますが、面接担当者はダラダラと話している求職者をあまり好みません。
しかし、要点のみを簡潔に話すだけだと必ず出てきてしまうのが沈黙の時間です。求職者が話し終わったあと、面接担当者が次の質問を考えるまでの間に絶対に発生します。
沈黙を嫌がって無理に話を続けないようにしましょう。
ありがちなのが、質問を考えている間に補足の説明を自分からしてくるパターンです。せっかく簡潔に話してくれているのに、自分から補足の説明をすることこそ愚かしいことはありません…。「そこは今聞こうと思ってたのになあ…」と思うことが多々あります。
最初から準備している質問であれば別ですが、その場で聞いたことに対して興味がわき、更に聞いてみたいと思ったときには、瞬時に質問することはできません。面接担当者も人間ですから、何を聞こうか自分の中で整理してから話そうとするんですね。
そんな時の沈黙を嫌がらずにしっかりと待ち、また出された質問に対して要点を抑えて簡潔に話す…そういった簡単な会話のやり取りの方が好印象を与えることができます。
特に経験者になると、自分の経験をアピールしようと話が長くなりがちです。「こんなこともやったし、あんなこともやった」と自慢したいのはわかりますが、そうすると本当にやりたいことがわからない「ただの経験者」としての印象しか残りません。
あくまで会話のキャッチボールを意識して、何を聞いてほしいか作戦を立てながら面接に望むといいと思います。
さいごに:企業だって人が欲しくて必死なんです…
人柄を重視する求人に応募し、面接に行く時に一番意識してほしいことは「ネガティブな印象を作らない」ことです。逆に、それさえできていればプラスの評価がなかったとしても内定が出ることがあります。
それが売り手市場の良いところでもありますからね。人が不足している分、企業によっては内定のハードルはかなり低くなっています。よほどネガティブな要素がない限りは内定がもらえるというところも増えているように感じます。
今回は、その「ネガティブな印象を作らない」ということを最優先した内容になっています。
笑顔を見せる、簡潔に話す、相手にも考える時間を与える、といったコミュニケーションでは当たり前とも言えることができない人が多すぎます。
世の中は求職者に有利な方向に進んでいるんです。担当者の顔色を伺いながら面接に臨むような時代ではありません。
確かに面接の主導権は企業側が持っているかもしれません。ですが、人が足りなくて募集しているのも事実です。あなたも就職したくて必死でしょうが、企業も人が欲しくて必死です。そう考えると少し余裕が出てきませんか?
肩の力を少し抜いて、自分で「企業を値踏みしてやるんだ!」という気持ちで、余裕を持って会話を楽しんでみてください。そうすると今まで取れなかった内定がすんなりと転がってくるかもしれません!