近年のニュースでは「人口減少社会」や「空き家率の上昇」などを目にすることも増えてきました。今後日本の人口はさらに減少傾向に陥るため、不動産投資における需要がなくなっていくのではないかと言われています。
今回は、人口減少が進んでも不動産投資は成り立つのか、どのような物件を所有していると有利になるのかについて解説していきましょう。
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空き家率の推移からわかる人口減少社会
野村総研が調査した「総住宅数、空き家数および空き家率の実績と予測結果」の統計を見ると、平成25年の段階で空き家率は13.5%に達し、2033年には30.2%まで上昇すると予測されています。今現在も空き家率は増え続けていますが、今の割合からさらに2倍近く上昇してしまうようです。
この統計からすると、賃貸経営をしているオーナーはマクロ的な不利を強いられる深刻な問題に発展してしまう可能性もあると言えます。
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人口減少が起きても不動産投資は成立するのか
では、実際に人口減少がおきている最中、不動産投資の成立は難しくなってきているのでしょうか。千葉県で不動産投資をしているオーナーによると、賃貸用住宅を975.000戸も供給しているのに対し、賃貸用住宅の空き家率は19.9%という結果が出ています。
これを約2割として計算すると、194,000戸が空き家となり残りの781,000戸は入居者がいるということになります。
つまり不動産市場は全体で考えてみるとパイが莫大なので、所有している物件に対する市場はそれほど大きな影響に直結しません。このくらいの空き家率であれば、入居付けの努力次第で何とか収まるレベルではないかと考えられています。
不動産投資家の中には、管理会社に任せっきりだったり、サラリーマンをしながら不動産投資を行なっていたりする人もいます。
こういった不動産投資家の構成からみると、努力している不動産投資が80万戸弱、努力していない不動産投資が20万戸という事実に位置づけられるのではないでしょうか。
都市部は不動産投資に有利な物件が多い
人口減少化に伴い地方の過疎化がさらに進んでいきます。そうなると、不動産投資の場合は都会の物件を所有していた方が有利になるのでしょうか。都市部の物件は利回りが低くなっていることが多く、都市部で新築を建てられるようなお金持ちの人や法人レベルの資金力ある人がいない限り、通常は築古物件の不動産を購入することがほとんどです。
ですから、都市部で築古のマンションやアパートの物件探しを個人で購入した場合、リフォームや設備投資を追加しにくい現状があるでしょう。
都市部は需要が安定しているが、元々利回りが低いので思い切った設備投資がしにくいのです。その反面、資産性があるので低コストでリフォームできれば、満室経営を維持できる可能性も高いと言えます。
人口減少や空き家率の上昇によって不動産投資家の将来が危ぶまれていますが、投資スタンスに向けた戦略を試みれば、安定した投資生活が送れるのではないでしょうか。10年後、20年後に売却した時、どういった不動産に需要があるのか考えながら不動産投資を進めてみてください。