人見知りの人の多くはコミュニケーションをとることが苦手であるという大きな特徴があります。
一見、単にシャイな性格で口下手な性格と見られがちですが、実はその奥にはさまざまな要因があり、それこそが人見知りを構成する大きな要素となっていることが多いです。
今回は人見知りの人が抱える共通点と、その奥に隠された深層心理について探っていきます。
目次
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人見知りになる原因
人見知りはさまざまな要因によって引き起こされると言われています。
自分自身の父親や母親、もしくは祖父母といった先代からの遺伝によるものや、幼少期に過ごしてきた生活環境や人間関係など、さまざまな要因がその人の性格や人格に大きな影響を与えているとされています。
実際に人見知りの人の性格や行動、考え方を見てみると、さまざまな共通点を見出すことができます。そして、人見知りの大きな要因である項目をさらに掘り下げ、細かく見ていくと、人見知りの奥に隠された深層心理を読み解くことができます。
深層心理と向き合うことによって、人見知りとしての自分自身と対峙して乗り越えることが可能になるかもしれません。
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人見知りの奥に隠された深層心理
他人に対する恐怖心
人見知りの人はとにかく周囲からの目を気にします。他人から自分はどう思われているのか、自分が周囲に対して不快感を与えていないのか、ただその場にいるだけでも気になって仕方ありません。
これは恐怖心にも似た心で、とにかく落ち着かない気持ちになります。特に電車の中やエレベーターの中など、狭い空間に他人と一緒にいる状況が苦手な人も多いです。
他にも、他人と言葉を交わすこと自体が苦手だったり、相手の目を見て話すことができないといった特徴もあります。自分の発言によって他人を傷つけたり、不快な思いをさせてしまうのではないかといった不安感はもちろんですが、自分の本心や考えていることを相手に知られることに恐怖を感じます。
また、美容室やアパレルショップ、家電量販店などで店員に声を掛けられることを極端に嫌がり、会話がぎこちなくなってしまうのも他人に対する恐怖心が大きく影響しています。
このように、他人に対する極度の恐怖心によって日常生活に支障をきたすほどの影響が出ることもあります。
自分に対する自信のなさ
人見知りの人の心の奥に隠された心理状況を考えたとき、最も大きな影響を与えているのが「自分自身に対する自信のなさ」といえます。
例えば幼少期に容姿をバカにされてコンプレックスを抱えていたり、過去に大きな失敗をしてトラウマになっている人に多く、何事も消極的な姿勢になってしまいます。
また、人見知りの人は会話のキャッチボールが苦手な傾向にありますが、実際にうまく会話が続かなかったり沈黙の時間が多くなったりすると「自分のせいなのではないか」といった自己嫌悪に陥ることも少なくありません。
さらに自分以外の人間とは楽しそうに話が盛り上がっている状況を目の当たりにしてしまうと、一刻も早くその場から離れたいと思ってしまいます。
このような人は、多くが完璧主義者で何事も失敗が許されないという緊張感を持っていることが多いです。過去の少しの失敗やうまくいかないことがあると長い間クヨクヨと思い出して自己嫌悪に陥ってしまいます。
恥をかくことへの恐怖心
「他人に対する恐怖心」でも少し触れましたが、自分の考えを相手に悟られてしまうことに恐怖を感じる人もいます。
その結果、なるべく自分の本心を見せようとはせず、常にポーカーフェイスでいようという気持ちになります。すると周囲からは「あの人は何を考えているのか分からない」「掴みどころがない」「大人しい、クールな性格」とみられることが多いです。
また、プレゼンなど人前に出ることを極端に嫌がります。「的外れな発言(質問)をして笑われたらどうしよう」とか、「この質問をしたらバカにされるのではないか」といったように、恥をかいてしまうことを恐れて結局何も発言できないまま終わってしまうこともあります。
一方で、無意識のうちに周囲の人間と自分とを比較し、相手によっては心の中で見下しているようなケースも少なくありません。言葉として表には出さないものの、周囲の人間に対して自分が優れている部分を見出して心の中でマウンティングを取っています。
しかし、この深層心理こそが自分自身が恥をかかないようにするための防衛手段であるともいえるのです。
他人にどう思われているかという猜疑心
人見知りの人は周囲の人間の顔色や態度に対して特に敏感です。いつもより素っ気ない態度や冷たい態度を取られた場合、即座にそれをキャッチして自分の言動を振り返ります。また、第三者の自分に対する発言や反応にも敏感です。
常に人の目を気にしていることが多いため、自分自身が他人からどう思われているのか気になって仕方がありません。
このような猜疑心によって、恥をかくことへの極端な恐怖心、他人に対しての恐怖心にも繋がっていきます。
人見知りの人は親しい関係になると会話も饒舌になり、人が変わったように態度が豹変することも多いです。これは他人に対しての猜疑心が払拭され、警戒すべき相手ではないと認識された結果ともいえます。
最後に
ネガティブなキーワードとして利用されがちな「人見知り」も大きな個性であると考えることができます。今回ご紹介してきた特徴も、見方を変えれば大きな長所になり得るものばかりです。
他人に対して恐怖心や警戒心を持っているからこそ、人を見る目が自然と養われているともいえ、自分に自信がないからこそ、常に客観的な目線で冷静に見ることができます。
「自分は人見知りだから」という理由で自分を諦めていては、その苦しみから解放されず、いつまでも辛い日々を送ることに繋がります。まずは自分自身を受け入れ、焦って自分を変えようとするのではなく、人見知りの自分を好きになることから始めてみましょう。
人見知りのあなただからこそ、周囲の人間とは一味違った大きな魅力を引き出すことになり得るはずです。ぜひ参考にしてみてください。