これだけ日常的に着ぐるみを見かけることができる時代、こうなると「プロの着ぐるみ着用者っているのかな?」というのが気になってきます。
そこで今回は、特に「着ぐるみを着ること」によって生計を立てることができるのかについて考えてみたいと思います。
目次
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「プロ」の定義
着ぐるみに関わる仕事でお金をもらい、それで生活していける人
を、想定しています。
そんな羨ましい仕事は以下から。
1.テーマパークキャラクター
ここで言うところの”テーマパーク”ですが、オーディションがあるような大手の数社をイメージしてください。
一口にテーマパークと言っても、規模の小さいところであれば未経験でも可能なアルバイトの募集がされている場合もありますので。
彼らは、厳しいオーディションを経てその企業と契約している点で、よりわかりやす職業で言うとダンサーや役者のような立場であるといえます。
着ぐるみを着るプロとして採用されているため、下に書いていくような他の業務との兼業とはならず、本当の意味で「着ぐるみを着ることだけ」で給料がもらえる仕事です。
着ぐるみを着て客前に出るので、ダンサーのように見た目や年齢で働けなくなる仕事ではないでしょう。
しかし、膝や腰を怪我することも多い仕事ですし、なにより毎年若い人が入ってくるということを考えると、長い間続けられる仕事ではないのかもしれません。
そのようなことまで考えると、安定した職だとは言えないのかもしれません。
2-1.スポーツマスコット(野球)
このブログを読むような人は、未読であればまずはB・Bブログを読んでみてください。
ある程度具体的な匿名として、かなりつっこんだことまで書かれています。
このB・Bのブログを読んでみると、なんとなく「野球のマスコットキャラクターは職業として成り立っているんだろうな」という気がします。
もちろん球団によっても差があるところだとは思いますが、少なくとも他のスポーツよりは球団の企業としての力が大きいので、妥当なところでしょう。
、今から十年ほど前に、とある球団が公式HPでマスコットキャラクターの着用者を募集したということもありました。そのときは多方面からかなり強く批判され、すぐにそのページは削除されたということです。
これらのことからもわかるように、求人が出回る仕事ではないため、外部の人間にはほとんどノーチャンスでしょう。
2-2.スポーツマスコット(野球以外)
日本のスポーツの団体は、野球を除いてほとんどの団体は経営がかなりギリギリの状態で運営されています。
そのため、各HPを見てみると、常時運営ボランティアを募集している団体ばかりです。
そんなこともあり、マスコットキャラクターを”ボランティアや職員”が着用している団体が結構あります。
もちろん中にはプロに委託している団体もあります。
しかし、全体を通してみると、わざわざ高い金を出して専属を雇わなくても、クラブに対して熱意のある職員やボランティアに任せようという団体が多いようです。
団体としては、着ぐるみの運営なんかに手間もお金もかける余裕はないということなのかもしれません。
しかし、既に立派なキャラクターも出演機会も抱えている団体なんですから、しっかり運営をすれば逆に収入源とすることも十分に可能だと思っています。
もったいなくてなりません。
3.着ぐるみ劇団の役者
日本には、着ぐるみ専門の人形劇団(子供向けの童話が多い)がいくつかあります。
アルバイトで役者を募集している団体も多いですが、最大手だけは募集を見たことがないので、もっと本格的な雇用形式なのでしょうか。
これらの未経験可な求人も時々見かけますので、興味があれば根気よく検索を続けてみてください。
4.スーツアクター
TV放送されている特撮モノの着ぐるみ着用者は、スーツアクターとして現在では地位が確立していると言えるでしょう。
初期の頃は「役者なのに顔が出ない」とバカにされていたようですから、いい時代になったものです。
ただ、そのおかげで今はスーツアクターも役者と同じような仕事環境になってきています。
普通の役者と同じようにスーツアクター専門の団体に所属し、経験を積んで、機会を待っている人が数多くいるようです。
いずれにしても、これ一本で食べていける人はかなり少なく、ほとんどの人はなにか副業を抱えながらブレイクを待っているようです。
5-1.専属キャラクター(雇われ)
数年前に、超有名なご当地キャラが着用者を募集しているということが話題となり、これもまた物議を醸していました。
それ以外にも、ハローワークの求人を注意深く見ていると、時給契約ではなく、契約社員としてキャラクターの着用者を募集していることがあります。
このことからもわかるように、専属契約をしているキャラクターもいるようです。
ただし、「正社員待遇」で「着ぐるみを着ることがメインの仕事」というものは見たことがありません。
上のような求人は、そのほとんどが「期間限定の契約社員」であり、さらに「メインは事務その他、イベント時のみ着ぐるみ着用」というものでした。
いらん心配ですが、この手の募集に応募はあるのでしょうか。
あるとすれば、環境改善は望めませんよね。
5-2.専属キャラクター(個人)
個人運営のご当地マスコットやご当地ヒーローというのは、実はかなり多いです。
現在最も有名なあの奇声をあげるキャラクターも、ほとんど個人運営なようなものですしね。
じゃあ儲かるの?っていうとそんなことはなく、ほとんどの人は本業は別に持った上で、趣味や地域貢献として活動されています。
本職として活動している人もいるようですが、それは少数派でしょう。
わざわざこんなことをする人が多いってことは儲かるの?と思われるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。ほとんどの人は実費自己負担の覚悟で運営されているのです。
人によって理由は様々ですが、利益のためではなく「子どもたちに笑顔を届けたい」といったような理由で頑張っている方が多いのです。
6.フリー
専属でもなく、所属でもなく、自由にいろんな団体の着ぐるみを着る人です。
着ぐるみ着用者というのはその特性上、声優や役者以上に名前の出てこない仕事です。
守秘義務の関係で経歴証明もしにくく、できたとしてもそんな経歴に対してお金が支払われるのでしょうか。
これに近い形として、各地で得たツテを頼りに様々な仕事をもらえる人というのはいるかもしれません。
ただ、それだけを仕事として食べていけるのか、それはわかりません。
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着ぐるみで食べていく場合の最大の問題点
着ぐるみは、特定の団体を除いて休日にしか出番がありません。
逆に言えば、平日に着ぐるみを出す団体はそう多くありません。
こうなると、「着ぐるみを着ることで食べていく」というのは非常に難易度が高くなってしまいます。
年齢は関係ないけれど…
スーツアクター以外の場合、着ぐるみを着るだけなら身長さえ合えば着ることができます。
しかし、重い衣装を着て動きまわるという仕事内容を考えると、永遠に続けられる仕事というわけでもないでしょう。
技術や経験、努力でカバーできる部分もあるものの、生涯現役を続けることは難しいのではないでしょうか。
結論
着ぐるみのプロとして生活している人は確かに存在しています。
ただし、それは望んで努力すれば叶うタイプのものではありません。
実力や行動もありますが、最も重要な事は「ある団体がプロの着ぐるみ着用者を雇う余裕があり」「そこが望む技術や能力、関係などを自分が持っていて」「そこが望んだタイミングで自分が滑り込めるか」ということでしょう。早い話が運です。
着ぐるみを着るための努力というのは、確率の低い賭けを繰り返すようなものです。
現実には、着ぐるみとは縁もゆかりもないような人が偶然機会を得て、そのままお互いに都合が合えば定着するということがほとんどです。
公にオーディションが行われるものの場合はそれさえ突破すれば道は開けますが、その他の大多数の着ぐるみは個人の努力よりも人脈からくる運が最も重要になります。
中に(他)人などいない。ようするに、着たいなら関係者になれ
ってことです。
なんてことはない、日々をしっかり生きましょう。
そうすれば、いつか機会がやってくるかもしれません。